「デジタルポートフォリオやSNSの活用など」〜日本の学校における教育の情報化で不足していること(1)〜
これらを日本の学校で取り入れようとしても、思うように定着しない。
ということを経験したことがあります。
ポートフォリオなどは、単に "Web上の保存場所" 程度に思われてしまい、活用法や価値を共有するに至らないこともしばしばです。
海外の教育系サイトを読むと、Webベースの学校向けサービスの活用について、"価値"を、どこに置いているのかがわかってきます。
キーワードの一つは「形成的評価 formative assessment 」です。
このブロク記事
「生産的な教室空間を継続させる20のコト」
20 Things Productive Teaching Spaces Have
に例示されている内容にも
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7 教師は、課題に対する明確で具体的な目標を提供します。
The teacher varies his/her instructional techniques.
8 先生は、頻繁にそして即座に、学生のパフォーマンスをフィードバックします。
The teacher provides clear, specific expectations for assignments.
20 教師も、学習者も、常に省察し、改善します。
Both teachers and learners are constantly reflecting and improving.
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など、形成的評価に関連する項目が示されています。
即時フィードバックを助けるためにポートフォリを活用しているようです。
また、学習活動のアセスメントのために、
例えば
「要約文を書くためにTwitterを活用(140文字という制限を効果的に適用する)」
「Wikiを構築し、知識を統合的にまとめる」
「ブログ記事を書く」
などをも、効果的な学習方法として、紹介されることが珍しくありません。
「学習効果が高いアウトプットの方法」
デジタルネイティブな子供達に対峙する教員にとって
「評価につながる活動」
「個に適応した指導の素材」
「個に適応した指導の素材」
と考えることができればどうでしょうか。
Webを利用した活動や、デジタルポートフォリオなどの教育的価値を見出し、教員同士で共有する。
実際に学習活動に取り入れるためには、具体的にどのような考え方や働きかけが必要なのか、様々な部分を現状で活用できるレベルで整理し、実行をサポートしていくことが必要なのだと思います。
(このあたりのコトは、別途ブログ等にまとめてみたいと思います)
「学習目標と形成的評価」
「デジタルを利用した学習内容のアウトプット」
「デジタル活用に対応した単元や授業デザイン」
などは、日本の学校における「教育の情報化」で最も欠けている部分かもしれません。
などは、日本の学校における「教育の情報化」で最も欠けている部分かもしれません。
教員側を助ける機能として「画面転送」や「比較表示」などに目が行きがちですが、
提供側も、選定側も、「学習活動と評価」を助ける環境や製品について、もっと注目していかなければならないのではないでしょうか
スタディ・ログ(学習履歴)の分析などは、まさに形成的評価を助ける素材のひとつです。
しかし、素材の活かし方まで具体化して提案できなければ、教育現場での実装(実践)に至らず「同じ課題の繰り返し(導入したけれども活用されない)」というスパイラルから抜け出せないかもしれません。
・学習に役立ちそうな新たなツールや機能が、本当に学校現場で活用されるためにはどうすれば良いか?
という視点と
という視点と
・授業改善、学習過程の充実という「新学習指導要領」が求める部分を具体化していくためには、どのような考え方や方法(手法や環境など)が必要だろうか?
という視点
今後、教育の情報化を推進し、様々な教科で求められる資質・能力としての「情報活用能力」の育成を促すためには、後者の視点がとても重要になるでしょう。
次回は、この部分について書いていきたいと思います。