「スナック・ネル」
「スナック・ネル」って何?
ご存じない方は「?」と思われるでしょう。
実は、8月下旬から「スナック」のマスターを始めました。
といっても、実際の店舗はなく、ネット上に存在する「場」です。
毎週月曜日の22:00ごろ、マスター(僕)と常連のお客様二人とゲストの方がカウンター(ここではビデオチャット※Google ハングアウト)に集い、教育とICTにまつわる時事問題から過去と未来の話などをゆるやかに広く深く語り合っています。
その様子は「ハングアウトオンエアー」を使ってYouTubeにライブ配信。
YouTubeチャンネルにアーカイブされていきます。
「スナック」ですから、もちろんアルコールを片手に、普段着の会話が進みます。
座席はカンター以外に「ボックス席」も用意されています。
ボックス席は、Facebookの公開グループ「スナック・ネル」の中に設置され、
毎週月曜の放送中に、様々な方々からのコメントが寄せられます。
このグループは、「教育とICTを愛する人」であればどなたでも参加できます。
グループのメンバーであれば、どなたでも参加承認していただけます。
僕が知らないところでも、じわじわ増えているようです。
最近、常連の林さんがスナック・ネルのWebサイトを創ってくださいました。
お店の概要は、こちらに書かれています。
過去の営業(放送)アーカイブやゲストの方も、こちらのページからご覧いただけます。
毎週月曜の22:00頃からスタートします。
一応1時間の予定なのですが、毎回話は尽きず、15分〜1時間オーバー。
放送終了後も、さらに話が弾む事もしばしば。
話題に事欠かないことの裏返しかもしれません。
これ迄の主な話題は
・ICT環境整備の課題、タブレット端末と無線LANの技術的部分など
・新たなICT環境と自治体のセキュリティーポリシー
・行政と教育現場
・一人一台のタブレット端末と財政負担など
・ICT支援員について
・公立学校と私学の違い
・海外のICT活用の話
・ICTを活用した授業
・学会の動き
など、思い出しただけでも多岐にわたります。
スナック誕生のキッカケ
以前、このブログで書いた記事
安易なタブレット端末導入への警笛 - 教育ICTデザイナー 田中康平のブログ
これを、林向達先生(徳島文理大学)がFacebookで投稿してくださった8月21日。
投稿内のコメントで、この記事で指摘した課題に共感してくださった坂井岳志先生(東京都内の小学校教諭)と林先生、僕の3人で
「様々な課題を表に出して、オープンに持続的に議論する場が必要」
という見解を共有した事でした。
その4日後、8月25日(月)にプレオープン。
この身軽さは、ICTの成せる技でしょう。
今夜(10月13日 月曜22:00ごろオープン)の営業で7回目になります。
「ネル」の由来ですが、
弊社(株)NEL&Mから。NELは、New Education Labの略です。
スナックの方向性にもマッチしてるのではないかと。後付けですが、、、
よく「ネル=練る」と思われるようです。
それでも良かったかなと、ゆるく考えている自分がいます。
林先生とは、東京の研究会でお会いしたときに、こちらから強引にお声掛けしてからのご縁。
ニュートラルな立場で話してくださる、大好きな研究者です。
坂井先生とは、教育ICTの課題について発信していたところへ大いに共感してくださり、上京した際に懇親を深めることになってからのご縁。
若気の至りも抜けない僕の話にも、真摯に耳を傾けてくださる素晴らしい先生です。
お二人とも、日頃直接お会いする機会は多くはありませんが、SNSなどICTのチカラを借りて繫がりを保ち続けている間柄です。
スナックの目的
点在している「教育とICT」に関する議論や課題を集めて、オープンにフランクに話し考える「場」となる事です。
学会や研究会、展示会など、各地で課題意識を持った方々の意見や情報交換がなされていますが、その場限りで終わる事も多く、霧散している印象です。
以前、林先生がいつも書かれる[常連日誌20140908](※Facebookグループ内)の中で
「この国が議論ばかりして前に進んでいないとしたら、それは議論を振り返らずに捨ててばかりだからであり、お互いに好きな部分だけを見続けているからではないか」
という指摘がありました。
共感するところが多々あります。
「今度じっくり話しましょう!」と別れた後の今度が中々来ない。
皆さん忙しくて、自分の仕事や研究に励まなければならない。
そういう中で、教育とICTに関しては、過去からの同じ課題を解決しないまま繰り返し続け、決して前進しているとは言えない状況です。
テクノロジーは進化していますが、環境整備(デザイン)は昔の考え方と変わりません。
授業法、授業設計(デザイン)も、整備されたICT環境の罠に陥ることが多く、良い意味での割り切りが難しい。
常連のお二人の他にも
「現場の先生」「研究者」「企業」「行政」「保護者」など、教育とICTに関わりのある多様な立場の方々をゲストにお迎えして、多様な視点から話を進め広げ、課題を掘り下げて、その解決策の一端でも考えていければと思います。
その中でベースに置いているのは
「日本の公教育の現場が良くなっていく事」
教育とICTの期待が高いあまりに、様々な立場の方の希望的未来予測が入り交じり、現場の教師や子ども達、授業、そこに存在する多くの課題が置き去りにされていると感じています。
スナックの中でも論点・視点の整理をつけながら、
「誰のための」
「何のための」
という部分を大切にしていきたいところです。
スナックというチカラを抜いた場所で、それぞれの立場で培った見識や経験を、一般的な話として持ち寄って語り合い、アーカイブする。
ここに意義と、面白みを感じます。
内なる目標は「どこまで続けられるか」
ゆるやかに頑張りすぎないように、
楽しみながら月曜の夜を迎え続けていきたいと思います。