教育ICTデザイナー  田中康平のブログ

教育ICT環境デザイン、ICT支援員、幼児教育とICT、など

人口減少社会と教育ICT

「人口減少社会と教育ICT」

国立教育政策研究所の平成25年度研究成果として

「人口減少社会における学校制度の設計と教育形態の開発のための総合的研究」

に関する研究報告書

というのが公表されています。※上記リンクより参照できます。

 

今後の人口推移については、ご想像の通り、減少の一途です。

その中でも、子どもたちの減少度合いは大きいです。

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2015年の人口ピラミッド

総人口    1億2659万7千人 

内0〜14歳人口:1582万7千人(12.5%)※出生中位

65歳以上の人口:3395万2千人(26.8%)

 

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こちらは、20年後

2035年の人口ピラミッド

総人口    1億1212万4千人

        2015年比:△1447万3千人

内0〜14歳人口:1128万7千人(人口割合10.1%)※出生中位

      2015年比:△454万人     (人口割合△2.4%)

65歳以上の人口:3740万7千人(人口割合33.4%)

      2015年比:+345万5千人(人口割合+6.6%)

 

人口は減少

東京都のH26年3月の人口が、1329万6千人です。

それより多くの人が居なくなる計算です。

 

0〜14歳人口も減少

私が住む佐賀県の、およそ5.5倍が居なくなります。

 

当然、学校は今の規模では維持出来ません。

統廃合と通学校区の再編・拡大は必至。

 

遠くなった通学距離と時間を短縮するのは

Mobility モビリティ(移動性、機動性)の向上でしょう。

スクールバス等の交通網、交通機関の整備もあるでしょうが、

ICTによる機動性の向上も必要になると想定されます。

 

広域になった学区では

都心部の「本部校」と遠方の「衛星校」によって構成され

ICTを活用した「遠隔授業」「オンデマンド授業」が増えると思われます。

授業設計も変わらざる得ないでしょう。

タブレット以上の端末が現れ、

あらゆるモノが通信し合う環境になっている。

遠くの友を近くに感じる。

未知の事はデータベースを参照する。

効率よく学び、答えを導いてく。

そういう方向へ進むのかもしれません。

 

ここで改めて問い直されるのは

「学校」という存在

 

「学校へ行く」ことの意義ではないでしょうか?

 

いくらICTが進化しても、使うのは人間です。

社会を構成するのも人間です。

「人と人の関わりの中で成り立つ社会」を維持してくには、

どういう「チカラ」を伸ばすのか?

 

幼少の頃から人と関わり

所属感を高め、周囲に貢献し

認められる喜びを実感し

自律し、

自信を持ち他者と繋がり、能動的に活動する

そういうチカラを育み、身につることが大切になることでしょう。

 

と、この事は海外で既に取り組まれています。

国際化社会の生存競争にも立ち向かわなければならないという

そのような厳しい社会を生き抜いていかなければならないのです。

 

 

人口ピラミッド

もう、ピラミッドの体をなしていません。 

まるで独楽の様ですね。

細い軸でまわす大きな独楽

2015年に6歳〜18歳だった子どもたちは

2035年に26歳〜38歳と一番の働き盛りです。

この層も、独楽の軸です。

支えるのは、この国と大先輩方

 

 

社会を維持していくためには、どうすれば良いのか?

 

ただでさえ、学力の二極化が進み、

経済力と学力の相関関係が指摘される中、

このまま、階層の固定化を続ける訳には行きません。

あらゆる層、あらゆる環境に関わらず

自身の能力や特性を存分に発揮し

3人〜5人分のチカラでもって、社会を支えなければなりません。

 

私は仕事柄、教育現場により良いICT環境を整備する事と、

子どもたちのICTを活用する、情報を活用するチカラの育成に取り組んでいます。

 

未来の事を考えるときに想うのは、

手遊びから始まり、歌、体あそび、創作、自然遊び

読み、書き、計算、キーボード

基礎学力の定着

料理や裁縫、掃除洗濯などの家事

音楽、書画、造形

幼保〜小中高と発達段階に応じた、これまでの学びをより高め

他者と関わり、認められ、貢献し、社会性と市民性を育み

さらに

先進のICT技術と親しみ、流暢さを身につけ

5感をつかって人生を豊かに生きて行く器を拡げていくこと=人間力を大きくすることを大切にしたい

という事です。

 

子どもたちがこの社会の変化に直面したときに、

自分の足で立ち

駆け回り、躍動する姿をイメージして

日々取り組みたいと考えています。