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教育ICTデザイナー  田中康平のブログ

教育ICT環境デザイン、ICT支援員、幼児教育とICT、など

高校生と情報活用能力

ICT利活用 教育ICT 田中 康平
「高校生と情報活用能力」

2月16日、佐賀大学において高校生によるプレゼンテーション大会
「第3回CHEM佐賀」(Creative High school students Evangelist Meeting)
が開催され、参加してきた。

佐賀県内の4つの県立高校と
OBの中村暖氏(京都造形大学)、OGの石橋美里氏(ファルコナー ※鷹匠)
ゲスト高校生 山本恭輔氏(千葉県)によるプレゼンテーションが展開された。

各校は、「デザイン選手権」「観光甲子園」「プロジェクションマッピング」「缶サット甲子園」といった実学を含む活動の様子と、活動する中で感じ取った想いや考えを、自分たちらしい手法で表現する。

中村暖氏は、高校生が個展を開くまでの道程や、「絵画で日本を一つに」をキーワードにした活動を紹介。

山本恭輔氏は、神戸大学医学部の杉本真樹教授との出会いや、自ら行動した事をきっかけとした大人との繋がり、自分の考えを発信すること、相手に伝えることの意義について、熱く語りかけた。

最も印象に残ったのは、石橋美里氏。
高校生ファルコナー(鷹匠)としてご存知の方も多いだろう。
高校を卒業し、ファルコナーとして活動を続ける中での葛藤と想い、夢や情熱の大切さを伝える。
19歳が
「出る杭は打たれる前に出れば良い」
「夢はたくさんあれば、小さなチャンスもパッと掴める」
「人生は闘い」
と口にする。
様々な事を経験し、覚悟と信念を持って自分の道を歩む姿に、多くのことを気付かされる。
理解者を得るために、SNSやインターネットを活用した情報発信は当たり前。
その上でリアルな繋がりにまで発展させ、人の輪を広げ、心を鍛え豊かにし、人生を拓いていこうと懸命に活動している。

彼らは、1995〜1998年に生まれている。
Windows95/98、Netscape NavigatorIEなどのインターネットブラウザ、ISDN回線が家庭に普及し始めた時期だ。
物心ついたときには、携帯電話、ポータブルゲーム機、PC、インターネットが身近に存在した世代。
学校に行けばPC教室があり、タイピングやネットモラルを学ぶ。
中学校では、技術科でコンピューターの基本やプログラミングを学ぶ。
実業高校へ進んだならば、専門的な情報技術を習得していく。
街に出れば、Wi-Fi電波が飛び交い、ポータブルゲーム機を接続。民家のホットスポットを共有する。
動画を見るのはyoutube、動画の発信もなんのその。

今の高校生の多くが常に持っているのは、スマートフォンという名の小型情報端末だ。
LINEやTwitterを使ってコミュニケーションする。Webブラウジングスマホで。
何時でも何処でも、世界中と繋がっていることに違和感はないのだろう。
それが当たり前の世代。

うまく活用すれば、CHEM佐賀の登壇者のように、人生を豊かにするツールになる。

使い方を誤ると、人生に暗い影を落とす負のツールになる。

文部科学省が示す情報活用能力には、3つの柱が置かれている。
・情報活用の実践力
・情報の科学的な理解
・情報社会に参画する態度

学習指導要領の改定に伴い、小中高等学校の段階を通じて、情報活用能力の育成に関する内容を示している。

高校では、教科「情報」が変わった。
情報A/B/Cが、「情報と社会」「情報の科学」に改定され、情報の活用と表現や情報モラル、問題解決における情報活用などを学ぶ。
学校での情報活用能力の育成が進み、人生をより良く生きて行くためのチカラを身につけて欲しい。

一方、家庭のICT環境は、学校のそれを先んじる傾向にある。
一人一台のスマホを含めたタブレットの活用は、恐らく家庭が先に到達するだろう。
その時に、保護者として分からないでは済まされない現実を認識しなければならない。
特に、情報発信の有効性と危険性は、子どもと共に学ぶ必要があるだろう。
素の情報活用能力は、子どもは大人を凌駕している。
子どもに学ぶことも多い。
そこへ、大人としての経験知見を組み合わせて、危機察知力と危機回避力を共に身につけて行きたい。
特に、法を犯す行為は、無知がゆえに発生している。知ることから始めることも大切だ。
サイバー犯罪で検索すると、犯罪事例などの情報は容易に見つけられる。

学校に戻ると、
我が県では、4月から県立高校に入学する生徒全員がタブレット端末を活用した授業を受けることになる。
各教科での学力向上が目的だそうだが、
情報活用能力を高め、生涯に渡って豊かな人生を送るためのチカラ
情報フルーエンシーや21世紀型能力の育成にもつなげて欲しい。

そして、CHEM佐賀に登壇したような、多様な社会でもしっかりと自分の足で立ち、仲間と協働し、社会に貢献できる人材が増えることを願う。

参考文献
※辰巳丈夫 「情報フルーエンシー 〜情報リテラシーの次にある概念〜」

国立教育政策研究所 「社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理」