教育ICTデザイナー  田中康平のブログ

教育ICT環境デザイン、ICT支援員、幼児教育とICT、など

誰のための、提案や環境構築なのか?

誰のための、提案や環境構築なのか?

教育とICTの界隈にいると、ICT機器やシステムを提案する方々が、授業や学習活動について話すことを躊躇する場面を、よく目にします。

「それは先生方の領域ですから。。。(私はそこには踏み入りません)」

謙遜も含まれている場合もあると思うのですが、

見方によっては

「あの人、授業や学習活動ことも知らないし語れないのに、それに関連する機器を提案しているなんて。。。」

と思われているかも。

ICT機器やシステムを整備しても思う様に活用が進まない、

という現場は、哀しいかな珍しくありません。

現に、私の元にそういう相談が寄せられることが増えています。

私自身、授業や学習活動のことを知り抜いているとは言えませんが、知ろうと思い様々なことに日々トライしています。

教科書を読みながら機器や教材の活用を検討したり。

教育に関する専門書を読んだり。授業設計について学んだり。

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運営しているICTスクールや幼保でのICTタイムで、子供の活動をデザインし、実際に子供の様子を観察したり。

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ゲストティーチャーで学校へ行く際は、簡易ながらも指導案を書いたりしますし、

子供達に書いてもらったワークシートを分析します。

ICTに関する教員研修でも、授業や学習活動のことを考え合い、そこからICTの活用について検討する様な内容で実施しています。

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可能な限り、実際の授業を見に行くようにしています。

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まだまだ知らないことだらけですが、少しづつ分かっていくうちに、ICTも含めた環境の良し悪し(どういうモノが必要で、不必要なのか、など)を見る目が育ってきた様に思います。

そして、授業や学習内容について話す場に参加できる様でありたいと思っています。

 

授業や学習活動のことを知らない(知ろうとしない)ままに、

それらに関連する機器やシステムを提案したり、環境構築したことが評価されているとしたら、それは誰からなのでしょうか?

売上を上げて利益を稼いだことも一つの評価だと思いますが、それは内部から見た場合のこと。

勿論大切なことですが、そこだけに目を奪われていては手痛いしっぺ返しが待っているかもしれません。

利用者から評価されてこそ、次につながるはず。

教育現場に貢献しながら長く事業を継続するには、利用者の評価や信頼は不可欠。

利用者から評価され、信頼されるためには、利用者のことを知らなければなりません。

教育とICTで考えれば、それは「授業や学習活動のこと、教員や児童生徒のこと」であるはずです。

その様なことを知らずして(知ろうとせずに)、授業や学習に関わる環境を提案したり、環境構築することは可能なのでしょうか。。。

以前の私はそうでした。

知ろうとしていませんでしたし、知ったつもりになっていました。

そうして提案した機器やシステムが使われていない。

ましてや、授業や学習活動を阻害していることを知った時、自分の仕事を猛省しました。

教育の情報化が進まない、、、課題が多い、、、としたら、(良いものであれば、もっと自然と進むはずなのですが、、、)

その要因の一つには、提案する側の姿勢があるのかもしれません。

「授業や学習活動のこと、教員や児童生徒のこと」を知り、

自然と活用され効果が実感できるICT機器やシステムなどを提案し、環境を構築し、

教育とICTの界隈に、利用者から評価され信頼される人や企業などが増える様に、

過去の自分の失敗や反省も踏まえつつ、働きかけていきたいと思います。

最後に、

1人1台の学習用端末の整備(無線LANなども含め)や、各教室への大型提示装置の常設整備など、規模が大きな整備になるほど、提案や環境構築の良し悪しがハッキリと表れます。

=提案や構築した側の知見や力量も浮き彫りになります。

その結果、得るものも大きければ、失うものも大きくなるかもしれません。