教育ICTデザイナー  田中康平のブログ

教育ICT環境デザイン、ICT支援員、幼児教育とICT、など

針路に悩む

今、針路に悩んでいます。

私は、公立学校の教育ICTに長年携わってきたました。

PC教室の整備から始まり、ミレニアムプロジェクト当時の校内LAN、グループウェア、校務支援システム、学校HP、校務端末、端末管理、教育イントラ、1to1環境、ヘルプデスク、ICT支援員、etc

その他にも新設学校のICT系設計協力など、学校に存在するICTに関する殆どのモノの設計、企画、調達、整備、導入、サポートに携わってきました。

そこに関わる利害関係者とも、幅広く接してきました。

授業も見せていただきましたし、ICT支援という形で、中で関わってきました。

課題山積。

実情が分かってきました。

その原因、遠因も見えてきました。

そうして、関わりを深めるほど、視野が狭くなる自分がいます。

それではダメだと感じています。

この感覚は良いことだと思っています。


巷ではタブレット端末など、商機盛んに動いています。

同じ話を20年前、40年前にも繰り広げていたというご指摘をいただきます。

当時の書籍にも書かれていますし、色褪せない部分が多いと思います。

ICT云々だけで考えていても、課題は繰り返すだけです。

様々な事を紐解いて行くと、ICTと離れたところに行き着くのでしょう。


現在が過去と違う部分は、ICTに限らず、課題の範囲が広り、多岐に渡っている点ではないでしょうか。


私自身が感じるのは

「学習者=子ども」と

「家庭も含めた子育ての実情」

が議論の中で置き去りにされていないか?ということです。

そして「変わらないもの」

を見通すことの大切さです。

「木を見て森を見ず」ではないですが、

学校や家庭で子どもが活動する姿を見つめなければなりませんし、そこから学び、広くデザインしなければならないと、最近強く考えています。


ICTが生活の中に当たり前に存在し、触れ始める年齢はどんどん低くなっています。

あるアンケート調査によると、

1歳児の74%

2歳児の85%がスマホを使用することがあると回答し、

その内半数は習慣化している傾向が出ています。

※ママスタジアム:子どものスマートフォン利用調査

~子どものスマートフォン利用調査~


スマートフォンに限らず、

場所を問わず携帯型ゲーム機に夢中になる児童を見かけることは珍しくありません。

早々と家庭でICTに接し、暮らしています。

学校現場だけに効果的なICT活用や子どもの伸び、

課題解決を期待するには酷な状況になってしまっています。


今後も、教育に対してICTを通して関わって行くことに変わりはないと思っています。。


どういう姿を求めたいのか?

誰のため、何のためなのか?

相手は誰?

場所は何処?

手法は何?

自分はどうする?


幼稚園でのICT活用や、

ICT活用スクールの運営はそういう想いの中でカタチとなった部分です。

学校と離れたからこそ見てくることが沢山ありました。

出来ることが多い事を、園児やスクールの子ども達から学んでいます。

その他の活動をフラットに再考中です。


多重奏で考えてトライし、

将来的にはオーケストラの指揮者の様に振る舞うイメージは持っていますが、

どうすれば、そこへたどり着けるのか?

前例が無いため、恐々手探りで進んでいます。

とにかく、考えなければならない範囲が広い。

しかし、広く見ていなければ、自分も、課題の本質も見失って、遠回りになってしまいそうです。


しばらくは、悩み考え、動きながらの日々が続くことでしょう。


そう簡単ではない。

特効薬もない。