教育ICTデザイナー  田中康平のブログ

教育ICT環境デザイン、ICT支援員、幼児教育とICT、など

次世代型教育ICT環境整備事業計画モデルプログラム

「次世代型教育ICT環境整備事業計画モデルプログラム」

こうして文字で見ると長い名前ですね。(笑)

どこか削ろうと試みましたが、削るところは無い。

との結論に達しましたので、このまま行きます。

これは、何かと言いますと、

今後のICT導入に際して、教育委員会や教員、その他関係者が事業計画を立案する際の指針となるモノです。

ここ数週間でまとめ、Ver1.0が完成しました。

弊社(私)のオリジナルです。

数週間のまとめの裏には、十数年の蓄積があることも添えておきます。

さて、

次世代型教育ICT環境?とは

1to1の情報端末、電子黒板、デジタル教科書、反転、協働、21世紀型、、、など、

「これからの子どもたちに必要か?」

「効果的に活用する為にはどうしたら良いか?」

という視点で検討すべきICT環境を指します。

これ迄の事業計画は、予算管理及び入札担当部署が主導(というか、ほぼここだけ)して立案してきました。

予算獲得後は、入札執行まで従来の流れ・手続きに沿って粛々と進むだけ。

そのような中で「次世代型ICT環境」を整備する事には限界があります。

なぜなら、「最も肝心な部分」がスッポリ抜け落ちているからです。

「子ども」と「授業」です。

本来、その為に環境を整えるべきですが、

環境を整える事が目的となり、

一番大切な所が置き去りにされているケースがとても多いのです。

今年度、タブレット型情報端末の導入に代表される「次世代型ICT環境整備」を行う自治体は増えました。

※参考情報:教育家庭新聞社調査(2014年5月)

来年度以降の導入を検討し始めた自治体も増加しています。

これ迄の手法で計画し、実行していては

「導入したが、使われない」

の繰り返しです。

それは、絶対にいけません。

PC教室と違い、普通教室での活用をメインにしている次世代型環境では、

導入時の善し悪しが、その後数年間ずーっと授業に影響し続けます。

課題を分析しようとしても、

往々にして、担当者の異動により責任の所在は不明になります。

関係企業は、「ビジネスチャンス!」に惑わされ、

売りたいモノを提案してしまいます。

もう繰り返すべき時代ではないのです。

今こそ、「次世代型教育ICT環境整備事業計画」の立案、実行方法を問い直し、

しっかりと活用し続ける事ができる環境を、

「子どもたち」「授業」

から逆算して、導入して欲しいと願います。

 

モデルプログラムの一部を公表します。

「モデルプログラムの構成」

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「ICTを含む学習環境整備計画の転換」

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これが、基本的な進め方です。

「明確なゴール」からの逆算へ、発想を転換してみませんか?

そして、検討委員会などの体制づくりも

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このような逆ピラミッド型で進めては如何でしょか?

その他、評価シート等の資料も含んでいます。

※制作:教育ICTデザイン - ICT活用スクールNELS と 教育ICTデザイン NEL&M

 

このタイミングで転換出来なければ、負の遺産になりかねません。

「これ迄と違う」=チャンス!

と、ポジティブに捉え、

普通教室で活用するという事の意味、

整備の在り方を問い直してみませんか?