教育ICTデザイナー  田中康平のブログ

教育ICT環境デザイン、ICT支援員、幼児教育とICT、など

講演の内容と目的

「講演の内容と目的」

ここ連日、講演や講習にお声がけ下さる場所があり、

講師としてお話しする機会を頂きました。

昨日は九州、現地へ赴いて。

今日は北海道、こちらはFaceTimeを利用したTV会議形式での遠隔講演でした。

 

内容は

「ICTを活用した、小・中・高の授業事例」

「課題と解決策」

「ICT支援員の役割と必要な知識」

「これからの教育ICTの見通し」

などです。

「授業事例」は、一人一台の活用を中心に、

「良い事例」と「伸び代の大きい事例」

について、解説していきます。

一人一台、1to1の環境での課題は沢山ありますが、

技術的な課題と

マネジメントの課題について

解決策の方向性をお話ししました。

 

「ICT支援員の役割」は、

自治体や配置人数、ICT環境の違いにより多様であること。

「必要な知識」の2分野について

非常に多岐にわたる「技術的理解に関する分野」

列挙すると仕事の全体像が掴めたのではないでしょうか?

「教育行政と教育現場の理解に関する分野」

教育委員会制度や、教員の任命権者と服務監督者

学習指導要領の概要やそこから読み取れること、

著作権やサイバー犯罪等に関する関係法令の理解、

などについてお話ししました。

 

「これからの教育ICTの見通し」は、

2015年〜2020年までの家庭内と教育現場のICT化の見通し

20年後、2030年台の社会情勢のイメージ

次世代環境で求められること

についてお話ししました。

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最後に使ったスライドです。

書いている内容は、至極当たり前の事です。

しかしながら、導入する事が半ば目的化していたこれ迄のICT環境整備では

なかなか感じる事ができなかった、大切な視点です。

 

「1to1などの次世代の教育ICT環境の整備で大切な事とは何か?」

最終的に、ここを考えていただくことが講演の目的でした。

 

身の回りのICT環境はいかがでしょうか?

何を動機として整備されてきたのでしょうか?

誰が必要とした機器であり、システムなのでしょか?

 

「より良い授業のために必要な環境とは?」

「子どもたちのどこを伸ばす為に活用するのか?」

「活用し続ける為の手だては講じられているのか?

 

この3点から出発した整備であるならば

埃をかぶるような機器は生まれないはずです。

 

今後、タブレット端末の導入〜1to1の環境が実現されるならば

「運用でカバーするという誤摩化し」

は通用しません。

かといって、最新鋭の機器やシステムを盛り込んでは

維持し続けるだけで多額のコストを必要とします。

限られた予算の中で、何をやって、何をやらないのか?

高度な舵取りが要求されますが、

拘りと柵から離れ、

過去に学び、未来を予測し、専門的知見を求めていけば

まだまだ、できる事は沢山あるはずです。

 

転換期を迎えた今こそ

問い直していきたいと思います。