教育ICTデザイナー  田中康平のブログ

教育ICT環境デザイン、ICT支援員、幼児教育とICT、など

タブレット端末の導入

タブレット端末」
昨今の教育ICT業界で、最もホットなキーワード。

これさえ導入すれば
ICTを活用した授業改善も
情報活用能力の育成も
21世紀型学力の育成も
なんだって上手く行きそうな魅惑のツールとして認知、受容されている雰囲気。

本当にそうでしょうか?

電子黒板や指導者用デジタル教科書を活用すると
授業のある部分は効率化され、その恩恵を、授業デザインに取り込むことが出来ます。

しかし、タブレット端末を手にした途端、暫くの間は、
効率化と真逆の振り子が動き始めます。

タブレット端末を活用するという事は、
予想以上のパワーと想像力を
学習者にも授業者にも求めるのです。

それでもなお、
タブレット端末を活用する事の意義」
をハッキリと持ち、
導入、あるいは授業に臨む「覚悟ある勇者」はどれほど存在しているのでしょうか。

タブレット端末と一口にしても、
形状、OSなど異なり、活用方法は様々です。
特に、OSの特性によって生じるシステム的かつ運用的動線は相当異なります。
十分な考察、検証をせずにタブレット端末を導入し、当初のイメージと異なる現実に直面した悲哀。

過去の遺産的データから脱却できない活用
アナログを電子化したに過ぎない活用
制限をかけ過ぎた活用
授業中にストップしてしまうタブレット端末

環境は先進的なようでも、未来を感じられない場面に出会うことが増えてきたように思います。

子どもの前にタブレット端末が存在するということは、目の前の学びに時間的、空間的奥行きを与え、その子の未来社会に開くドアを提供しているのだと思うのです。

良き活用には、良き実践のアイデアを産み出すイマジネーション豊かな人材と、
イマジネーションを産み出す環境を。

今日見た学校の環境はどうだったか。
これまで見てきた学校はどうだったか。

イマジネーションを産み出す環境とは、どういうモノか。

大いに考えさせられた夜でした。